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司法書士の一人言

Soliloquy

» 遺言④

公開日:2017.8.7

前回は中途半端で終わってしまい申し訳ございませんでした。

前回は遺言のメジャーな2つを紹介しましたが、今日はマイナー遺言を紹介します。

 

秘密証書遺言

(秘密証書遺言)

第970条  秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一  遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。

二  遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。

三  遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。

四  公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

2  第968条第2項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

 遺言者が遺言書に署名及び押印をし、遺言書を封筒に入れ遺言書に押印した印鑑と同様の印鑑で封印します。

遺言者が公証人と証人2人以上の前で封書を提出し、自分の遺言であること及び遺言者の氏名及び住所を言い、公証人が遺言書を提出した日付及び言ったこと(自分の遺言であること、住所、氏名)を封筒に書いた後に、封筒に遺言者及び証人が署名押印するという流れです。

 

次は特別方式に移ります。 

死亡危急者の遺言

(死亡の危急に迫った者の遺言)

第976条  疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。

2  口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。

3  第1項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。

4  前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から20日以内に、証人の1人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

5  家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。

 死亡の危急に迫った人(病気など)が遺言する時の規定です。

三人以上の証人の立会が必要で、証人の1人に遺言の趣旨を口頭で告げ遺言とすることができます。

遺言の趣旨を告げられた者がその内容を筆記し、遺言者及び証人に読み聞かせ(閲覧させ)、各証人がその筆記の正確であることを確認した後、これに署名押印して完成です。

 

(伝染病隔離者の遺言)

第977条  伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官1人及び証人1人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

(在船者の遺言)

第978条  船舶中に在る者は、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

(船舶遭難者の遺言)

第979条  船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。

2  口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。

3  前2項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

4  第976条第5項の規定は、前項の場合について準用する。

 

伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言です。こんな規定も民法に書いてあるんだな~でいいです(笑)

 

次は、自筆証書遺言と公正証書遺言を比較します。